1991年5月28日 佐賀県吉野ヶ里遺跡にて開催されたコンサートのライブ・レコーディングCD
発売元:株式会社いだき(1991年リリース)
高麗恵子メッセージ
1991年吉野ヶ里にて弥生の魂を表現するコンサートライヴです。初めて吉野ヶ里を訪れた時、何もない原っぱにピンクの光がみえました。美しくやさしい懐かしい光景でした。ST1コンサートを熊本にて開催した後、吉野ヶ里にてシンセサイザーを持ち込み録音したのです。人間の生々しい感情や闘い、様々な人間の歴史が描かれる音楽を、私は、編集の段階から寝てしまい、聞く事が出来なかったのです。音が体に入り、体がしびれ、寝入ってしまうのです。徹夜で行なったスタジオでの編集時は、恥ずかしながら最初から最後まで寝ていました。それ以後、聞く度に寝てしまい、本番当日以来、まともに聞けたことがないのです。
7年後、初めて寝ずに聞くことが出来ました。ドラマチックで、ロマンチックで歴史の絵巻物の様な音の世界に驚きました。歴史の風が吹いている様な音なのです。私の生命の内に宿る歴史がやっと解放されたので、寝なくて聞けるようになったのです。
ジャケットの美しさは、アメリカにて大変評価され、私はデザインの依頼をされる程でした。当時アメリカにてCDをリリースしていました。先生の写真撮影をされた有名な写真家は、この「弥生の魂」が一番好きでした。エネルギーがあると仕事をしながら、大音量でCDを聞いていました。彼は、先生に会った時、エネルギーがあるとおっしゃり、日本での個展では松田聖子の写真を出す予定だったそうですが、先生の 写真に切り換えたのです。他のアメリカのスタッフも皆、このCDを一番好みました。創造性があると喜び、仕事中にかけていました。